この春、3`のミズイカ(アオリイカ)が釣れましたよ。


 「今年の春の到来は遅いかな?」と思っていると、一気に気温が上がって鹿児島市内では桜が例年よりも早く咲き、この原稿を書いている4月上旬には葉桜になっている所も多いと思う。
 春と言えば、私の住んでいる鹿児島市の眼下に広がる錦江湾(鹿児島湾)では、マダイが産卵のために太平洋や東シナ海から大群で入ってくる。このマダイのことを錦江湾に入ってくることから『入りダイ』とか、桜の咲く時期のタイということで『花ダイ』と呼んでいる。錦江湾のマダイは全国区で、県内外の多くの釣り人がこのマダイを狙ってこの時期、錦江湾を訪れる。中には釣り番組や釣り雑誌などに登場する有名アングラーやプロアングラーの顔を見ることもある。今年は今ブームの『一つテンヤ』で競技する大会が錦江湾で開催されるそうで、ゲストに、あの田辺プロが来られる予定で楽しみだ。


 錦江湾でこのマダイと双璧なのがミズイカ(アオリイカ)だ。ここ数年、全国的に餌木でアオリイカを釣るエギングがブームとなり、そのブーム後、釣りのジャンルとして定着した感がある。
 私の住んでいる鹿児島では、江戸時代の末期に、武士や豪商の中で餌木でアオリイカを釣ることが流行となり、金箔を貼ったり眼に真珠を使ったりと贅沢を尽くした餌木が存在する。その後、焼き餌木、白木餌木、布餌木と、その姿が現在の餌木になっていった。
 また、現在の餌木はその形状から、『山川型』と『大分型』に大別される。山川型はその名の通り錦江湾で発達した餌木で、頭部が細く腰のくびれが目立つ形状で、潮流の早い場所や深場で威力を発揮する。大分型は全体的にボディが細くストレート形状だ。現在の餌木はほとんどこの大分型で、現在エギングで多様するジャーク、ダートアクションに反応する。

 また、全国的にアオリイカと呼ばれているが、このアオリイカは実は三種類いることを知っているだろうか? 鹿児島ではミズイカ、大分ではモイカと呼んでいるが、ここ数年のエギングブームで、アオリイカは三種類いることが明らかになった。次に、三種類のアオリイカを紹介しよう。

【シロイカ型】
 日本本土で釣れるアオリイカの大多数がこのシロイカ型。胴長40a、重さ2.5`程度が成長のリミットで、3`を超えることはごくまれだ。アカイカ型に比べると体色が 白く胴巾が広いのが判別のキーポイント。食味は三種類中で一番。

【アカイカ型】
 3〜5`もあるモンスーに成長する。シロイカ型よりも南方系で生息条件が合えば全長1b以上、7`前後まで成長する。名前の通り黄〜赤味を帯びており肉厚で、琉球列島・九州・四国・小笠原諸島・伊豆半島など暖流の影響を受ける範囲に生息。深場に多く、 産卵は水深20〜1b付近まで。

【クロイカ型】
 クロイカ、またはクヮイカ、クアイカとも呼ばれる。平均胴長15a程度、最大で100cとかなり小さい種類で、沖縄北部を含む南西諸島や小笠原諸島に分布、日本本土で釣れることはない。沖縄ではリーフの内側で漁獲される。シロイカ型に比べ胴体が太く盛り上がっていてエンペラの巾が狭いのが特徴。


 ここで下写真を見て欲しい。3月下旬に鹿児島県の志布志湾沖提でヒットした3`のアオリイカである。もちろんアカイカ型だ。
 
 このモンスターアオリイカをランディングしたのは櫻木勇輝さんで、私の職場の先輩の釣り仲間である。3月上旬にこの先輩から、
「知人にエギンガーがいるので、春に効果のある餌木を作って欲しい」と、依頼を受けて作った3.5寸の桜舞カラーでヒットした。半信半疑でキャストした餌木にヒットしたので驚き、先輩へとすぐに写メールが届いたそうだ。私もその写真を見て驚いたことは言うまでもない。
 今年は特に志布志湾周辺で、大型のアオリイカが釣れており、佐多岬、内之浦、対岸の野間半島周辺でも2〜3`クラスが餌木にヒットしている。


春イカ攻略テクニック


 ここでこの春、エギングデビューしようと考えているアングラーの方に、基本的なテクニックと、春イカ攻略のテクニックを紹介しよう。まずは左頁のイラストを見て欲しい。

【基本テクニック】
 キャストしてフォーリングさせる。この時、潮流が速かったり風が強い場合、テンションホール(※1)やカーブフォール(※2)で行う。着底を確認したらライスラックを取り、ジャーク(※3)とフォールを足元まで繰り返す。

【ベーシックテクニック】
 基本テクニックではフォーリングの最中にアクションをしないが、ベーシックテクニックは、フォーリングの最中にロッドティップ(竿先)で小刻みなアクションを繰り返す。着底を確認したら、ズル引きや次に紹介するハングオフテクニックへと移行する。

【ハングオフテクニック】
 着底を確認したら2〜3回シャクって、フォーリング。次にボトムをトレース。障害物を感じたら『ポ〜ン』と餌木を跳ね上げる。次にカーブフォールで誘う。

【スラッグジャーク】
 ハングオフテクニックの発展的テクニックで、障害物を感じて『ポ〜ン』と餌木を跳ね上げて、次にフォールさせずに2〜3回ジャークさせるテクニックだ。

【見えイカ攻略方法】
 サイトフィッシングで餌木を抱かすテクニックは色々とあると思うが、多くのアングラーはイカの姿が見えるので、必要以上に餌木を動かしてしまう。私は餌木を同じレンジ(層)でスティさせることで、ナーバスになったスレイカも何回も餌木を抱かすことに成功している。参考にして欲しい。
 また、この時期、抱卵しているメスイカをヒットさせたら、資源保護のためにも必ずリリースして欲しい。抱卵を確認するにはイカを太陽にかざして見れば卵が確認できる。夜間の場合は同じように常夜灯やヘッドランプで確認して欲しい。


 今年は水温の上昇で一気にアオリイカの接岸が始まった感がある。幻の3`オーバーを求めてあなたもエギングで釣行されてはどうですか?
 薩摩烏賊餌木『弾』については…釣具リサイクル・グウ(?099-251-7661)、
もしくは私のブログの餌木の注文についての項参照。
 それでは、次回の疑似餌倶楽部まで…。


(※1)テンションフォール
 キャスティングし、フォーリングさせる際、スプールに人差し指でテンションを与え、ラインにラインスラック(糸フケ)が出ないようにラインを出すテクニック。
(※2)カーブフォーリング
 同じようにキャストして、フォーリングさせる時に、リールのベールを返し、ラインスラックを取りフォーリングさせる。餌木は手前にカーブをするようにフォーリングするので、このネーミングがある。
(※3)ジャーク
 ロッドをシャクると同時にリールを巻きながら行うアクション。

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